姫路顕栄教会

2010 年8月の聖句PDFファイル

互いに愛し合いなさい
ヨハネの手紙T第4章7節








〜 暖かいまなざしの中で 〜


 今月の聖句はキリスト教の中心的な教えです。「互いに愛し合いなさい。」。これ以上に 大切な教えが他にあるでしょうか。しかし、現実には世界中の至る所で戦争が起きており、大勢の人々が亡くなっています。つまり、人間はこの教えを十分に実 行することが出来ないということです。なぜ、人間は互いに愛し合うことが出来ないのでしょうか。

 聖書には立派な教えがたくさん出てきますが、一方では人間同士の醜い争いがたくさん描かれています。ある村にマルタとマリアという姉妹が住ん でいました。そこへイエス様と弟子たちが旅をしながらやって来られると、マルタは喜んで家の中へ迎え入れました。マルタはイエス様と弟子たちに対して旅の 疲れが癒され喜んでもらおうと精一杯の接待をしました。ところが、妹のマリアは何もしないで、イエス様の足もとに座って、その話に聞き入っていたのです。 しばらくするとある変化が起きてきました。マルタは次第に接待に疲れてきたのです。どんなにイエス様のために愛を持って奉仕しようとしても出来なくなって 来たのです。そして彼女の口から愚痴がこぼれ始めました。マルタは自分だけが働いて、妹は何もしていないのに腹をたてマリアを非難し始めたのです。さら に、それを黙認しているイエス様に対しても「妹に手伝うように言って下さいよ」と命令し始めたのです。このように人間は初め
のうちは他の人を愛そうとがんばりますが、やがて疲れてきて不満が爆発して挫折してしまうのです。

 一方、マリアはどうでしょうか。彼女はイエス様を見つめています。イエス様も彼女に暖かいまなざしを注いでいます。彼女はただイエス様の暖か いまなざしの中で、その話に聞き入っているのです。自分のことをこれ程までに心に留めて語りかけて下さり、暖かいまなざしを注いで見守って下さる方がいて 下さる。マリアの心はとっても暖かくなっていました。マルタとマリア。マルタは初め、崇高な志をもって奉仕を始めましたが、やがて愛を使い果たして心は冷 たく疲れ切っています。一方、マリアは暖かいまなざしの中で愛をいただいて心は暖かです。つまり、マルタとマリアはわたしたちに大切なことを教えてくれま す。それは、わたしたちが誰かを愛する前に既にわたしたちを愛して暖かいまなざしを注いで下さる方がおられるということです。その暖かい愛とまなざしに包 まれて生かされる時、人は心からお互いに愛し合うことが出来るのではないでしょうか。
 読者の皆さんはどう思われますか?

チャプレン 日本聖公会 司祭 ヨハネ 芳我 秀一


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