姫路顕栄教会

2010 年5月の聖句PDFファイル

「あなたの父母を敬いなさい
出エジプト記第20章12節










  5月の第二日曜日は「母の日」です。母の日は日頃のお母さんの苦労をねぎらい感謝の気持ちを表す日です。この慣習は約100 年前にアメリカで始まりました。1907 年5月12 日(日)、一人の少女が、亡くなったお母さんを偲んで、母親が日曜学校の教師をしていた教会で記念会を催して、白いカーネーションを贈ったことが「母の 日」の起源だと言われています。その翌年、少女の想いに感動した人々が、お母さんに感謝することの大切さに気づいて、5月の第二日曜日に同じ教会にたくさ んの子供たちと母親たちが集まって最初の「母の日」を守りました。1914 年に「母の日」はアメリカの祝日となり、5月の第二日曜日と定められました。カーネーションは少女の母親が好きだった花で、母の日のシンボルとなっていま す。

また「父の日」も少し遅れて1909 年にアメリカの一人のご婦人が、男手一つで自分やその兄弟を育ててくれたお父さんに感謝の気持ちを表すために、教会の牧師さんにお願いして父の誕生月だっ た6月に父の日礼拝をしてもらったのがきっかけとなって始まったと云われています。そして「父の日」もアメリカでは祝日となり、6月の第三日曜日と定めら れました。母の日の花がカーネーションなのに対して、父の日の花は、この婦人が父の日に父親の墓前に白いバラを供えたことから、バラとされています。

このようにお父さんとお母さんに感謝の気持ちを目に見える形で表すことはとてもすばらしいことだと思います。今、わたしたちがこの世界に存在して生きているのはまさに両親のおかげです。

ところで、今月の聖句は、旧約聖書の出エジプト記にでてくるモーセの十戒の中の一つです。神様はユダヤ人たちに「あなたの父母を敬いなさい」と命令されま した。神様がこのような命令を下されるということは、ユダヤ人に限らず人間はお父さんやお母さんを大切にしていない現実がある、ということではないでしょ うか。現代は親、子、孫と世代の違う家族がバラバラに生活することが多くなってきました。特に高齢者の中に家族から見放されて孤独と貧困のために生きる意 味を失いかけている人々を見ると「あなたの父母を敬いなさい」という戒めが心に突き刺さります。世の中が豊になり便利になったからと云って、人の心が豊か になるとは限りません。むしろ、便利になりすぎて、手間、暇のかかることは煩わしくなるのが人間ではないでしょうか。それだけにこの戒めは私達の眠った心 を呼び覚ましてくれます。わたしにも愛媛で元気に暮らしている高齢の両親がおりますが、現実には十分な世話をすることはできず、誰かの助けが必要なので す。

 ですから、人は誰一人この戒めを完全に守ることはできないのではないでしょうか。わたしたちは自らの弱さや不完全さを自覚して、神様からのお許しと励ましをいただきながら、高齢者の人々はもちろん全ての人々が安心して過ごせるようにお互いに助け合って参りたいものです。

チャプレン  日本聖公会 司祭 ヨハネ 芳我 秀一 
                                              


Copyright(C)2009 藤井  尚人 


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